和歌山の白浜に向かう山道、
長い下り坂を下っていた。
時速40キロぐらいか。風も気持ちよく、
ガードレールで車道ともしきられて、
最高の気持ちだった。
突然、カーブを曲がった瞬間、
道幅が狭くなっていた。
ブレキーキは間に合わず、
そのままガードレールに突っ込んだ。
僕は数メートル先に飛んでった。
衝撃で右足にまったく力が入らない。
なんとか片足で自転車まで戻る。
自転車は無事そうで良かった。
助けを呼ぼうにも、人影はまったくない。
仕方ないので、自転車にまたがり、
下り坂を片足でおりた。
坂の終わりに、売店みたいなところがあった。
そこの前で座り込む。全然よくならず、
痛みはますばかり。これは無理だ。
売店のおじさんに救急車を、よんでもらうことにした。
山中で20分ぐらいかかっただろうか。
南紀白浜の街中にしか病院がないみたい。
自転車はやむを得ず、売店に置かせてもらうことに。
病院につくと、すぐレントゲンを撮ってもらった。
骨には異常なく、打撲とのことだった。
数日、安静にしてたら大丈夫ということだった。
だが困ったことに、テントや寝袋は自転車においてきてる。
寝るとこどうしようかと悩む。
ホテルはシーズンだからか、どこもいっぱい。
足が痛くて、歩けない。
悩んだあげく、病院のベンチでそのまま、休ませてもらうことにした。
特に許可されたわけではなく、黙認してくれていたのだろう。
次の朝起きても、痛みは続く。
もう1日、何もせず、ひたすら耐える。
事故から2日目。
なんとか片足で歩けるくらいにはなったので、
バスで山道の売店まで戻る。
自転車はちゃんとしまっておいてくれた。
お礼をいって、出発。
片足でこぐのは大変だけど、
少しでも、進みたいと言う気持ち。
これで旅を終わるのかも悩んだ。
でも、なんか途中でやめるのが悔しくて、
とりあえず、前に進んだ。